第6回 女性アスリート健康サポート北海道セミナー(2025年11月15日)

 

 講師への質問と回答

藤本もえこ 講師

 

① とても疲れた終盤で、自分を奮い立たせる特別な方法は、ありますか?

私自身、特別な方法を用いていたわけではありません。むしろ、苦しい場面で踏ん張れないと感じたときには、「それは準備不足の結果である」と受け止めていました。そのため、結果が出なかった要因を振り返り、日頃の準備期間や自主トレーニングの強度・内容を見直すことを大切にしてきました。

また、トレーニング時には、負けた試合や、重要な場面で力を発揮できず悔しい思いをした経験を思い返し、それを原動力として練習に取り組んでいました。

 

② 今、最強の見方は、どのくらいいいますか。

数えきれないほど多くの方々が、私にとっての支えであり味方です。これまで共に戦ってきた先輩や後輩、そして家族や友人など、周囲の方々に非常に恵まれてきたと感じています。その存在が、これまでの競技人生を支えてくれました。

 

③ 仕事の準備や資格試験の勉強など義務と感じてしまうとついつい逃げてしまいます。それに向き合う方が良いのはわかっているのに。良い行動・選択を習慣にするのに心がけていたことがあえば教えていただきたいです。

正直に申し上げると、私自身も得意な分野ではありませんでした。現役時代も、「行きたくない」「やりたくない」という気持ちの方が強いことは多々ありました。その中で意識していたのは、あえて他者と自分を比較することです。「今この瞬間、ライバルやチームメイトは努力しているのではないか」と考えることで、自分も行動せずにはいられなくなり、結果として前向きな行動につながっていました。

 

④ 40代で体力を維持するための食事や睡眠、どのような運動をすればよいか知りたい

専門的な知識があるわけではありませんが、年齢を重ねても体力を維持しながら生活していきたいと考えています。食事については、朝・昼・晩の三食をきちんと摂ることを意識しています。

運動に関しては、腕立て伏せ・腹筋・スクワットなどを、量は少なくてもほぼ毎日継続しています。厳密なルールや高い目標を設定してしまうと継続が難しくなるため、無理なく、苦痛にならない範囲で続けられる内容を設定することを大切にしています。

 

⑤とてもたくさんの量の食事をとられているのですね(とくに現役時代は)?

そうですね、普段の運動量と一応換算する栄養価の計算を栄養士の方に教えていただいたので、 そうなるとこれくらい食べなくてはいけないというふうに一応バランスと考えていたんです。もともと食事は苦手な方で、お米とかも苦手な方だったので、後半に取り組み始めたんですけれども、 その際は本当に食トレという言葉があるぐらいトレーニングなのかなというぐらい一生懸命食べていました。

 

⑥たくさん食べるようにすると食べられるようになるんでしょうか?

胃が大きくなるというのもあるのですが、やっぱりたくさんご飯を食べると余分なものといいますか、 私もともと甘党でお菓子とかも大好きだったんですけれども、そういうのがやはりいらなくなるというか欲さなくなるので、 ご飯を食べ過ぎるとやっぱり太ってしまうという概念もあったんですけれども、逆にすごい体脂肪率も落ちて、 体作りとしてはいい方向に行きました。

 

⑦ピルについて、産婦人科にご相談に行かれたということですが、の前に先生自身がピルどうなのかなということを考えていたということなんですね。

大きな大会、アジア大会だとかオリンピックの前に東京にあります国立科学スポーツセンターでメディカルチェックといって、 先生とお話しする機会だったりとか体のチェックをする機会があったので、その際に主治医の先生に月結のことをお話ししたりした際に、 ピルっていうのがあるよっていうのを本当に若い時に聞いていたんですけども、若い時はやっぱりちょっと抵抗があったのと、正直あまり良いイメージがなかったので、 服用するっていうことはなかったんですけども、大人になってネット社会になって簡単に調べれば色々と良い情報が出てくるので、 これはちょっと取り組んでみようかなというふうに思い、相談しました。

 

⑧月経中に、ひどい月経痛があったっていうことなんですが、ピルを使ってみて効果の程はいかがでしたか。

本当に世界が変わったと言っても過ではないぐらい、朝昼夜と薬が切れる際には鎮痛剤を飲んでいたんですけども、それが一切いらなくなりましたし、 量自体もすごく減ったので、スポーツをやっている人間としてはやっぱりそれは良いことだと思うので、その件に関しては本当に服用してよかったなというふうに思います。

 

オリンピック世界選手権というようなトップの選手はどの競技でもお話があったとおり、国立スポーツ科学センターのほうで、みていただけるメディカルチェックもある、指導もあるようですが、それ以下、実業団とか学生さん、中学生、高校生レベルなど、今の日本の場合、何もないのですが、指導される立場として中学生や高校生に対して、こうしたらいいのでは、みたいな何かアドバイスがあれあ教えていただきたい

私は今実際に中高生の女子を指導したりというお話をいただいたときに受けようと思ったきっかけが、 やっぱり女子のチームには女子のスタッフがいた方がいいんじゃないかっていうのも一つの理由で、女子同士のスタッフがいると、それが簡単に言えるんじゃないかなというふうに思っていたので、 難しい話ではあるんですけども、やっぱり女性のチームには女性のスタッフっていうのを入れていくのが、 こちら側としてまず一番いい方法ではないのかなというふうに思うんです。若い選手、選手自身の方はきっと若いうちって抵抗があったりだとか、 私みたいにあまり良い印象がないとか知識が少ないっていうことがあると思うので、 やっぱり自分で調べたりだとかっていう、今は本当に便利な時代なので、 アプリとかもありますので、そういうのも積極的に使っていったらいいのかなというふうに個人的には思います。 

 

⑩ただならない病気をお持ちでありながら、13年間ですか、 安定して一度もかけることなく継続してこられたっていうのは、 先生のメンタルの安定も影響しているのかなと思うんですが、いかがでしょうか。

もともとメンタルはそんなに私自身弱くはないと思っていて、 究極に立たされるほど力が発揮できるタイプではあったんですけれども、 やっぱり一番多かったのは、仲間の存在がすごく大きくて、幼馴染のような選手が多かったので、やっぱりみんなと同じ土俵に立ちたい、 みんなと同じレベルでアイスホッケーがしたいというのが一番大きな活力で、自分が頑張らなきゃという影響を与えてくれたのは、仲間の存在だったかなというふうに思います。

 

⑪小学生、中学生のチームを作っていくっていうことが、 実はそのアスリートの人口を増やしてトップアスリートにつなぐっていう大事な活動なのかなというふうに思いますが、 小中学生のチームは北海道の中で増えてきてるんでしょうか。

むしろ今は減ってきていまして、アイスホッケーの場合ですと、そもそも子供自体の人数が減っているっていうのも一つの要因なんですけれども、 私の地元苫小牧市は、私が活動していた頃は小学校単位でチーム、部活として組めていたのは、 今は市内に4つしかクラブチームがなくなっていたりだとか、子供の減少とともにチームも減少しているなという印象です。 

 

 

篠原由梨 講師

 

① 北海道は 冬季のスポーツがとても皆さん集中してきているような気がするのですが、スポーツ人口とかの実際はどうなんでしょうか。 JISの方では何かデータがございましたか。

実際にスポーツ人口というところでデータは出されていないと思います。 JIISってどうしても全体ではなくて、トップの人口にかぎられてしまうところがあります。 トップアスリートの人口としてはかなり増えています。競技種目もそもそも増えておりますし、そしてリクルートですね。 小学生からあなたこの競技どう?というマイナースポーツも含めてですけど、例えばボブスレイだとかリュージュとかも含めてですけれども、 こっちから、国からアプローチして始めましょうと声をかけるというような取り組みがかなり増えておりまして、 そういったところからもスポーツ人口だとかオリンピックに出れる選手というのは増えております。 ただスポーツをする一般的な中で趣味としてスポーツをする人の割合っていうのは年々減っていると言われています。

スポーツ医学講座としても、 スポーツを広める活動、スポーツが歩くでもいいですし、ヨガとか体操、ピラティスとかでもいいですから何か週に3回以上やりましょうというような 活動をしていきたいと思っております。

 

②スポーツ医学講座のますますの活動が期待されるということ思いますが、先生何か抱負ありますか。

ご期待いただいてとてもうれしい限りなんですけれども、 来年からですね、私の講座で健康スポーツ診療というのを始めようと思っております。 健康スポーツというのはアスリートに対する診療というわけではなくて、私スポーツできていないって思う方に受診していただきたい。 例えば肥満がある、高血圧がある、糖尿病があるっていう生活習慣病の方もそうなんですけれども、 何かやりたいけどここが気になる、例えば私膝が悪いとかそういった方に対しても何らかのスポーツを提案できるような場を作りたいと思っておりまして、 それに向けて今活動しているところです。

 

③私は今高校生の女子高生の栄養サポートをしているんですけれども、 その中ですごいPMSだったり月経不純だったり貧血とかも多い印象があって、 そういったときにどこの婦人科をお勧めしていいかがすごく自分の中で困っているところではあるんですけど、 何かこういう婦人科がお勧めだよとか何かそういうのがあれば教えていただきたいです。

 競技レベルにもよるかと思います。 部活動でやっている高校生でしたら正直どちらの婦人科でも問題なく対応してもらえると思いますし、 例えばお話ししづらければ女医さんがいるところという選択をするとか、授業がありますので、 放課後にやっている婦人科を、 夜間もやっている婦人科に行くっていうのも一つかなと思います。 あとは全日本レベルだとか将来オリンピック選手になりたいだとかっていうような希望がある方でしたら、 正直、女性アスリート健康サポート北海道(FAHSAH)ホームページを見ていただくと検索できるようになっております。

(補足)FAHSAH会員の産婦人科医では、特に部活動をしていなくても、トップレベルを目指すような方でなくても対応しております。詳細は当ホームページ、産婦人科医検査に掲載の各医師所属の医療機関へお問い合わせください。

 

 

 

 

山口太一 講師

 

運動終了後に摂取したほうが早く回復できるものはありますか?

運動終了後4時間以内にもう一度同じような運動を繰り返し行う場合に,エネルギー源となる筋グリコーゲンを回復させたいのであれば,運動後できるだけ速やかに体重1kgあたり1-1.2gの糖質を摂取すると良いとされています.この場合,血糖値の上がりやすさを示すグリセミックインデックス(GI)値が高い食品を選ぶと良いでしょう.具体的にGI値が高い食品には,米,もち,パン,麺類の他に,あんやジャムなどがあります.私は,好きなおにぎりや和菓子(大福)を摂ることが多いです.一方,翌日までに筋グリコーゲンを回復させるのであれば,1日で体重1kgあたり7g-12gの糖質を摂取することが推奨されています.この場合もGI値の高い食品の方が好ましいと考えられています.

 

② 運動などは、何時間ぐらい、続けていますか。

こちらのご質問は,私が1日に運動をどのくらいの時間続けているかというご質問であるという理解でよろしいでしょうか.所属先の大学では体育実技の授業を担当しおります.大学の授業時間は1講が90分で,1日に2講あります.私は,今でも(おそらく大学をやめるまで)学生と一緒に動くようにこころがけています.90分間,通しで動いているわけではありませんが,1日計180分の授業時間に,バドミントン,卓球,バスケットボールなどを行っております.健康づくりのための運動は,1日60分,毎日実施することが推奨されています.健康のために意識的に身体を動かす運動だけでなく,生活活動を含む身体活動でも良いとされていますので,通勤や通学のための歩行でも十分です.みなさんも無理なく身体活動を習慣化してみてください.

 

 

③ 40代以降の運動でけがをしないために大切なことはありますか。カラダの声を聞いてあまり無理しないようにはしていますが。

私も40歳を過ぎてから,体力の衰えや運動後の身体の痛みを感じるようになってきました.まず,けがを予防するのに最も大切なことは体力を低下させないことであると考えています.筋力や持久力などの体力が低下すると,運動中の動きが緩慢になったり,無理をしたりすることが多くなり,けがの危険性が高まります.そして,おっしゃる通り,運動前にカラダの声を聞くために,しっかりとウォームアップをすることが重要だと考えます.ウォームアップは運動の準備のための目的だけでなく,その日の調子をはかる試運転の時間でもあると考えています.歩いてみたり軽く走ってみて,身体の重さを確認したり,ストレッチングをしてみて,身体の硬さを確認したりします.いつもの運動前と違うことがあるならば,そこを改善するために,さらにストレッチングをしたり,力を入れたり抜いたりして,調子を整えるようにします.

 

 

④ グリコーゲンローディングについて   グリコーゲンローディングが必要なのは90分以上続く運動(試合)という事でしたが、そうしますと当てはまるのは、マラソンや一部の山岳競技などになると思いますが、例えば、サッカーなどハーフタイムがある競技や、野球、カーリングなど試合時間は長いが攻守交替や個々の選手にはインターバルが入る競技ではグリコーゲンローディングは不要という考えでよいでしょうか?

お考えの通り,グリコーゲンローディングは,90分以上連続する運動で必要であると考えられます.90分未満の運動では,筋グリコーゲンの回復のために推奨されている糖質摂取方法である前日に体重1kgあたり7-12gの糖質を摂取することや運動当日の1〜4時間前に体重1kgあたり1〜4gの糖質摂取ができれば良いと言えます.また,攻守交代の時間やインターバルの入る競技では,その時に必要に応じて,糖質を摂取することで,エネルギー源の枯渇を防げます。

 

 

試合開始後の低血糖を防ぐには開始前45-19分の糖質摂取は控えたほうが良いとのことでした。一方 水分(+塩分)は20-40分前に250-500㎖摂取とのお話でした。ということは試合前の水分摂取には無-低糖質のスポーツドリンクがよいということになるでしょうか?

お考えの通り,運動中の脱水を防ぐために,運動前に前もって摂取しておく水分は,糖質を含まない(あるいは含んでいても極めて少ない)飲料が良いと言えます.我々の研究結果では,500mL中に10gの糖質が含まれている糖質溶液を運動開始30分前に摂取した場合で運動中に低血糖になりました.したがって,糖質が10g以上含まれているスポーツ飲料では低血糖になるおそれがあると言えます.したがって,運動開始45〜19分前の時間帯は水のみの摂取でも良いのかもしれません.