スポーツと食事・栄養について よくある質問 を掲載しました。 ↓↓
この度、スポーツと食事・栄養について、よくあるご質問 7つを掲載いたします。
( Q1から順に解説してあります。Q番号をクリックするとそれぞれの解説に移動します。ご確認ください)
Q1.高校生です。部活をしています。食事のことは特に考えずに食べています。運動とどう関係しているんですか?
Q2.何をどれくらい食べたらよいのかわかりません
Q3.子どもに持たせるお弁当はどうしたら良いでしょう?
Q4.体重を減らすために食事を減らしていますが,食欲が止められなくなっていつもは我慢しているお菓子をドカ食いしてしまうことがあります
Q5.健診で貧血とわかりました。どんな食事をとるとよいですか?
Q6.放課後の練習後とても疲れます。体重を増やしたくはないのですが、練習の前や後には何か食べたほうが良いのでしょうか?
Q7.大会で1日に何試合もあるときにはどのように食べるのが良いでしょうか?
スポーツや運動をしている人に共通する一般的な食事の話が中心となります。回答は以下に掲載しています。今後も少しずつ Q を増やして内容を充実させていけるように計画しております。
Q1.高校生です。部活をしています。食事のことは特に考えずに食べています。運動とどう関係しているんですか?
私達は、食べることにより、身体の材料や活動のためのエネルギーとして必要な栄養素を補給しています。食べることはとても大切です。 スポーツをしている人は、していない人と比べて、必要なエネルギーや 栄養素の量が多くなることが下の図からもわかると思います。 スポーツをしている人は、必要なエネルギーを補給するために食べる量を多くする必要があります。
Q2.何をどれくらい食べたらよいのかわかりません
食事は、バランスの良い食事をとることが必要になります。そのためには、主食・主菜・副菜2つ・果物・乳製品を食事に取り入れることが理想です。図1の「アスリートの食事の基本の形」を参考にしてください。
特徴と食品例 「主食」からだを動かすエネルギー源となる炭水化物を多く含む
ご飯,パン,麺
「主菜」筋肉,骨,血液などからだの材料となるなるたんぱく質を多く含む
肉,魚,卵,大豆,これらの加工品
「副菜」体調を整えたり,骨や血液の材料になるビタミン,ミネラルを多く含む
野菜,海藻,きのこ
「乳・乳製品」骨や歯の材料となるカルシウム,たんぱく質を多く含む
牛乳,ヨーグルト,チーズ
「果物」疲労回復,コンディションを整えるビタミン,炭水化物を多く含む
果物,果汁100%のジュース
食べる量については、例えばその日の気温や練習内容などにより必要なエネルギーが異なります。そのため、適正なエネルギーが摂れているかを体重で確認していくことが大切になります。思うように身体づくりが進まない方は食事を見直してみましょう。
Q3.子どもに持たせるお弁当はどうしたら良いでしょう?
お弁当もアスリートの食事の基本の形を参考に用意することが大切です。
お弁当を用意する際には図のように主食3:副菜2:主菜1となるように用意し、果物、乳製品は別に用意することをお勧めします。
また、この割合で容器につめたお弁当は、容器の容量がおおよそカロリーと同じになるといわれ、摂取エネルギーの目安になります
(例:容器表示が 1500㎖ なら 1500㎉)。
Q4.体重を減らすために食事を減らしていますが,食欲が止められなくなっていつもは我慢しているお菓子をドカ食いしてしまうことがあります
お菓子は禁止するのではなく量を決める,補食として利用しましょう。1日の摂取エネルギー量の中に収めるように食事とのバランスを調整したり,脂質の少ない和菓子を補食として取るなどするのもよいでしょう。コントロールできないような強い空腹は,エネルギー制限量が不適切に大きすぎる場合にも起きやすくなります。過度な食事制限はパフォーマンスの低下につながりますので注意しましょう。
例1:運動量の多い日に補食を利用する(適した食品→カステラ,ようかん,おはぎ,串団子,100%オレンジジュース,飴,フルーツ入り無脂肪ヨーグルト,エネルギーゼリー など)
例2:今日はどうしてもスナック菓子が食べたい→子ども向け菓子の売り場にある小袋にして食べ過ぎを予防する。その日の食事は脂質を減らして1日の脂質量が過剰にならないように調整する。
Q5.健診で貧血とわかりました。どんな食事をとるとよいですか?
貧血改善のポイントは主に3つ,「エネルギー量不足の改善」,「鉄の多い食品の摂取」,「たんぱく質不足の改善」です。食事の基本の形(主食・主菜・副菜2品・乳製品・果物)をとるようにするとこれらの改善に役立ちます。※Q2をご参考ください。貧血の程度によっては鉄剤の利用や運動制限が必要になりますので,医師の指示のもと早期改善を目指しましょう。
・必要エネルギー量の確保
エネルギー量が不足したままでは貧血はなかなか改善しません。必要エネルギー量についてはQ1の解説をご参考ください。
・鉄の多い食品の摂取
以下の食品は特に鉄を多く含みます。このほか,野菜,魚,乳製品,果物などいろいろな食品をとることで鉄の吸収を助けるビタミンCや造血に関わるビタミン(B12,B6,葉酸など)もとることができます。
鉄を多く含む食品の一例
魚介:カツオ,イワシ,あさり,まぐろ赤身
肉・卵:レバー,卵
野菜・豆:小松菜,菜の花,ほうれん草,大豆
栄養機能食品:鉄が強化されたチーズ,ヨーグルト,野菜ジュース
・たんぱく質の摂取
酸素を組織に運んでいるのが血液中のヘモグロビンですが,その材料が鉄とたんぱく質です。たんぱく質は主菜(肉,魚,大豆,卵,これらの加工品)に多く含まれます。毎食とるようにしましょう。
Q6.放課後の練習後とても疲れます。体重を増やしたくはないのですが、練習の前や後には何か食べたほうが良いのでしょう
か?
食事からの摂取エネルギーや栄養素の不足は疲れの一因となります。また,エネルギー不足から空腹が強くなると強い空腹から過食となり逆に体重増加につながる場合もあります。補食を利用して疲労対策やパフォーマンス維持に役立ててみるのはどうでしょうか。
〈補食の目的〉
・3食でとり切れないエネルギー,栄養素を補う
・試合や練習のパフォーマンスを維持する
・身体づくりを効果的に行う
筋肉が利用できるエネルギー源(主に炭水化物)は運動前にとっておく必要があります。エネルギー不足のまま運動をすると、ばてやすくなる,集中が切れやすくなる,疲労の回復が遅くなる,身体づくりが思うようにすすまない,ということが起こりやすくなります。
運動量が大きい人が不足しやすい栄養素はご飯などの主食,果物などに多く含まれる炭水化物,水分です。3食とっていても不足することが少なくありません。今日の練習,明日の練習のためにしっかり食べ,水分は運動前・中・後に意識してとりましょう。
運動後は骨格筋の代謝が活発になっています。その際,炭水化物とたんぱく質を一緒にとると骨格筋を作る働きがより活発になることがわかっています。練習後,夕食まで時間が空くような場合は,補食を利用するとよいでしょう(エネルギー補給は運動直後の方が2時間後より回復が早いことが分かっています。無理のない範囲で早めにとりましょう)。もちろん,運動後だけとっても1日の総摂取量が不足したままでは十分な効果は期待できませんので,たんぱく質を多く含む主菜(肉・魚・卵・大豆など)を毎食とるなど1日の食事を大切にし,運動後に摂取するメリットをいかしなら身体づくりをするとよいでしょう。※食事についてはQ2をご参考ください。
〈具体的な食品例〉
練習前(炭水化物中心)
おにぎり(具は梅など脂質の少ないもの)、バナナ、カステラ,パン(脂質の少ないあんぱんやジャムぱん)、ゼリードリンク、固形タイプの栄養補助食品な,100%オレンジジュース,スポーツドリンクなど。練習の1時間前までを目安にとります。衛生管理に注意しして用意しましょう(冷蔵保管,売店での購入)。
運動後(炭水化物+たんぱく質)
無理のない範囲で早めに、おにぎり(具は鮭などたんぱく質がとれるもの),おいなり,サンドイッチ,肉まん,ヨーグルト,ゼリードリンク(糖質とたんぱく質がとれるもの)など。放課後の部活動から帰宅した後、できるだけ早いタイミングで夕食をとることも,翌日の備えと身体づくりに有効です。
Q7.大会で1日に何試合もあるときにはどのように食べるのが良いでしょうか?
疲労を最小限にし,試合で力を発揮できるよう次のことを参考にしてください。
・前日までの調整
骨格筋のエネルギー源である炭水化物が十分とれるよう,ご飯,パン,もち,うどんなどの麺類,果物などを意識してとるようにしましょう。脂質の多い揚げ物やスナック菓子は控えめにします(菓子パンにはデニッシュなど脂質の多い物があるので注意する)。また,緊張や興奮で胃腸の消化能力が低下しやすいので,宿泊施設などの食事ではできるだけ食べなれた食事に近い物を選び,刺身などの生ものは控えましょう。
試合のスケジュール,補食が調達できる店の場所などを確認し,食事をとるタイミングを計画しておきます。
・当日の朝食
糖質多めで脂肪の少ない食事を試合開始3~2時間半前に食べ終えるようにします。
・試合前の補食
試合3~4時間前ならおにぎり,パン,だんごなど,試合1~2時間前ならカステラ,バナナ,エネルギーゼリー,果汁100%ジュースなど,30分前ならスポーツドリンク,飴などをとります。(食事の量や当日の体調に合わせて調整しましょう)
・試合後の食事
次の運動までの時間(回復時間)によって以下の通りとなります。
〇 1時間~30分程度の場合:オレンジジュースやスポーツドリンク、ゼリー飲料など
〇 1~2時間程度の場合:固形(ブロック)やゼリータイプの栄養補助食品
〇 2時間以上
・おにぎり、サンドイッチ(ハムやジャム)うどんなどの軽食
・野菜ジュースや果物、果汁100%ジュース、プリン、カステラなど
〇 4時間程度:試合開始3~2時間半前に食べ終わる糖質多めで脂肪の少ない食事
※食事・運動量,パフォーマンスの状況により調整が必要です。本番前に練習や練習試合などで試合当日の食事調整を試しておくことをお勧めします。
女性アスリート健康サポート北海道(FAHSAH)は、2019年5月8日に設立しました。
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